壁や家具に立ったまま尿をかける「スプレー」は、トイレの失敗ではなく縄張り主張のコミュニケーションです。原因の特定と環境改善のアプローチを、行動診療の視点から解説します。
| 姿勢 | スプレー:立位で尾を立てる / 排尿:しゃがむ |
|---|---|
| 場所 | スプレー:垂直面(壁・家具) / 排尿:床・トイレ |
| 量 | スプレー:少量 / 排尿:通常量 |
| においの強さ | スプレー:濃い / 排尿:通常 |
性成熟前(生後6か月前後)の去勢でスプレー発生率は大きく下がります。すでに発症している成猫でも、去勢後に約8〜9割で改善するとの報告があります。ただし学習されたスプレーは去勢だけで完全に消えないため、環境改善との併用が必要です。
環境改善で改善しない場合、特発性膀胱炎※1や尿路結石が背景にあることもあるため、まず動物病院で身体疾患の除外をします。慢性化したスプレーには、獣医行動診療科で抗不安薬の検討が行われることもあります。
※1 特発性膀胱炎:ストレスが引き金となる原因不明の膀胱炎。