作家・内田百閒が溺愛した雄猫。1957年に忽然と姿を消し、百閒はチラシ2万枚・英文ポスター500枚を配って探したが戻らず、随筆『ノラや』の題材となりました。
| 名前 | ノラ(Nora) |
|---|---|
| 種別 | 野良出身(雑種) |
| 性別 | オス |
| 生没年 | 不詳(1956年頃に内田家に来訪・1957年3月失踪) |
| 所属 | 内田百閒家 |
| 所在 | 東京都(内田百閒邸) |
| 関連書籍 | 『ノラや』中央公論新社(中公文庫) |
| 公式URL | 中央公論新社『ノラや』書籍紹介 |
1956年頃、作家・内田百閒宅の軒先に迷い込んだ子猫。百閒夫妻にとって老後の心の支えとなるほど愛された雄猫で、 百閒は溺愛ぶりを「贔屓目」と自ら書いた。1957年3月、ノラは忽然と姿を消した。
百閒はノラを取り戻そうと尋常ならざる行動に出た。チラシを合計2万枚配布し、 新聞広告を繰り返し出稿。さらに「日本語を読まない外国人が保護しているのではないか」と英文ポスターを500枚も作成して方々に掲示した。 数年にわたり捜し続けたが、ついにノラは戻らなかった。
その悲嘆と日常を綴った随筆集『ノラや』(1957年〜)は、喪失と愛情の文学として現在も読み継がれる名作となった。 飼い猫を失った深い悲しみが、これほど克明に文学化された例は世界的にも稀で、 日本における「猫文学」の代表作の一つとして広く知られている。