1999年に発見された一つのタンパク質が、2026年、ついに猫の慢性腎臓病を治す新薬になろうとしています。発見者・宮﨑徹博士が25年かけて辿り着いた、ネコ医療最大の朗報。
AIM(Apoptosis Inhibitor of Macrophage、マクロファージ由来アポトーシス抑制因子)は、1999年に宮﨑徹博士(当時バーゼル免疫学研究所、現・一般社団法人AIM医学研究所所長)によって発見されたタンパク質です。 血液中を流れ、傷ついた細胞のゴミ(壊死した組織や老廃物)を「これを掃除しろ」と目印を付ける役割を持っています。
2016年、宮﨑博士は決定的な発見をします。ネコのAIMは、生まれつき機能していなかったのです。 ヒトや犬のAIMは血液中で自由に動き、傷を発見すると即座に掃除を指示します。しかしネコのAIMは強く別のタンパク質と結合してしまい、いざ腎臓に傷ができても動き出せません。 その結果、腎臓に老廃物が蓄積し続け、ゆっくりと腎機能が低下していく──これが、猫が高齢になると圧倒的に腎臓病になりやすい根本原因でした。
解決策はシンプルです。機能しているAIM(=ヒト型・組換え体)を、外から猫に注射で補えばいい。 宮﨑博士は2017年から東京大学を経て、現在のAIM医学研究所・株式会社IAM CATで、 凍結乾燥型のネコ用AIM製剤の開発を続けてきました。
| 2025年5月〜 | 全国26病院で治験を実施 |
|---|---|
| 2026年3月 | 安定性試験終了見込み |
| 2026年4月 | 農林水産省へ承認申請 |
| 2026年内〜2027年春 | 順調なら実用化 |
| 製造拠点 | 台湾 |
治験では、IRISステージ3bの猫で生存率の劇的な改善が確認されました。販売名は4,931名から10,132件の公募により正式決定済みです。
新薬は申請が通れば自動的に普及するわけではありません。製造体制、流通網、動物病院での処方文化、そして何よりも保険適用の議論──。 実用化を一日でも早めるには、「飼い主がこの薬を待っている」という具体的な意思表示が必要です。それが100万人署名です。
現在 50名/目標 1,000,000名。あなたの一署名が、全国の猫の未来を変えます。
2026年6-7月に計画中の第3回フォーラムでは、この連載の臨床編として、 IRIS創設メンバーのDr. Jonathan Elliott(ロンドン大学王立獣医大学)と望月学教授(東京大学動物医療センター)をお迎えする予定です。 AIMの最新エビデンスとIRIS分類の改訂動向を、研究者の言葉で直接お聞きします。